幕開け、Ⅱ

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ねぇ、もう私たち終わっちゃったね 私は、貴方を愛したかったのに 愛そうとしたのに どうして、こんなふうになっちゃったんだろうね? きっと、結婚式の日。 あの日から全てが変わってしまった… あの日から、貴方の心はあの子だけのものになった あの結婚式に『愛』なんてなかった 私も貴方を愛していなかったし 貴方も私を愛してくれてなんかいなかった 私はただ、誰かに必要としてほしかっただけ 必要としてくれるなら誰でも良かった 親が決めた結婚。 親が決めた結婚相手。 文句なんてないし 何も言うつもりはなかった。 けど、まだお互い小さかった頃 貴方と初めて会ったとき 初めて両親に感謝したの 初めて、誰かに愛されたいって思えた 初めて、誰かを愛したいって思えたのよ。 確かに、あの結婚に『愛』はなかったけど 私は貴方のことが好きだったの。
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