悪魔に願いを。

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鐘がなる。 教会では、婚礼の儀が盛大に行われていた。 「すげぇな」 「貴族同士の結婚らしいぜ」 「それでこんなに華やかだったのか」 「あぁ、羨ましいよな~俺も貴族の娘と結婚してぇ~」 「ハハハ、俺だってしてぇ~」 人々の陽気な笑い声。笑顔。幸福に満ちあふれていた。 花嫁の名前は、エミネル・ローズ。有名な貴族、ローズ家の娘だった。 そして、花婿の名前は、アオ・ルネリア。アオも有名なルネリア家の貴族の息子だった。 二人の結婚は、ずっと前から決まっていた。 二人は、その運命に従い結婚した。 「エミネル、僕はまだまだ君のことを知らない。だが、これからお互いのことを知り、愛しあっていこう」 アオがエミネルの手をとり、優しく微笑む。 「えぇ、もちろん」 エミネルも優しく微笑みかえした。 エミネルの心には、すでにアオに対する気持ちでいっぱいになっていた。 だが、反対にアオの心は暗かった。 (本当にこれでいいんだろうか…) アオの心には、まだ迷いがあった。 だから、アオは自分に対する決意のようにエミネルに話しかけた。 「僕は、君を愛するよ」 エミネルはなにも知らずに、嬉しそうに笑った。 「私もあなたを愛するわ」 だが、そんなアオの決意を簡単に壊されてしまった。 教会のドアが静かに開かれた。 二人の幸せに終わりを告げるベルが鳴り、 素晴らしい舞台が幕をあげられた。
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