4人が本棚に入れています
本棚に追加
鐘がなる。
教会では、婚礼の儀が盛大に行われていた。
「すげぇな」
「貴族同士の結婚らしいぜ」
「それでこんなに華やかだったのか」
「あぁ、羨ましいよな~俺も貴族の娘と結婚してぇ~」
「ハハハ、俺だってしてぇ~」
人々の陽気な笑い声。笑顔。幸福に満ちあふれていた。
花嫁の名前は、エミネル・ローズ。有名な貴族、ローズ家の娘だった。
そして、花婿の名前は、アオ・ルネリア。アオも有名なルネリア家の貴族の息子だった。
二人の結婚は、ずっと前から決まっていた。
二人は、その運命に従い結婚した。
「エミネル、僕はまだまだ君のことを知らない。だが、これからお互いのことを知り、愛しあっていこう」
アオがエミネルの手をとり、優しく微笑む。
「えぇ、もちろん」
エミネルも優しく微笑みかえした。
エミネルの心には、すでにアオに対する気持ちでいっぱいになっていた。
だが、反対にアオの心は暗かった。
(本当にこれでいいんだろうか…)
アオの心には、まだ迷いがあった。
だから、アオは自分に対する決意のようにエミネルに話しかけた。
「僕は、君を愛するよ」
エミネルはなにも知らずに、嬉しそうに笑った。
「私もあなたを愛するわ」
だが、そんなアオの決意を簡単に壊されてしまった。
教会のドアが静かに開かれた。
二人の幸せに終わりを告げるベルが鳴り、
素晴らしい舞台が幕をあげられた。
最初のコメントを投稿しよう!