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扉は静かに開かれた。
音に気づいて、扉を開いた正体を確認するため振り向く者。
音に気づいていながらも、あえて無視をする者。音に気がつかなかった者なと、それぞれだった。
だが、少女が足を踏み出し中に入った瞬間
誰もが少女のほうに振り返った。
決して、大きな音などはしなかった。
ただ、少女は歩いただけ。
それだけで、何百人ともいえる数の人間が振り返った。
そして、さらにその少女の容姿を見た者たちは驚愕した。
(まるで、天使のようだ…)
(こんなに美しい人がこの世界にいたなんて…)
だれもが、その美しさに感嘆の息をもらした。
熱い視線を一身に注がれている少女は、頬を赤め照れくさそうに微笑んだ。
そして、少女は歩みを止めることなくアオとエミネルの所へ向かった。
二人の前で立ち止まり、深く礼をした。
そして、顔をあげる。
少女は笑った。
その儚げなその笑顔を見るものすべてを虜にする。
『初めまして』
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