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その時、後部席で何か影が動いた。それに反応し隊員達は動きを止めた。
ぺしゃんこの運転席でも何か動いている。
「今から助けます!あまり動かないで!」
北沢がそう言うと、後部席の黒い影は割れた窓から滑り落ちてきた。
姿を現したのは服装から見て男性だろうか、倒れ込んだままで顔は見えない。
しかし背中には夥しい量の血痕が付着している。かなりの重傷だろう。
「そのまま動かないで!三橋、救急キット助手席から取って来い!お前ら、運転手の安否確認しろ!」
「り、了解!」と利弥は答え、足早に助手席に乗り込んだ。
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