死者の夜明け

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「えっと、どこだ?」 利弥が椅子を見るがそこには救急キットは見えない。 「無いなぁ」 運転席も見て回るがどこにも見当たらない。 「あっ」 足元で何かを踏み付けた。 そこには赤十字の描かれたオリーブ色のダッフルバッグ。目当ての救急キットだった。 「やった、これだ」 利弥は肩に担ぐと助手席から飛び降りる。 「は、班長!あ、ありました!」 利弥が北沢の元に戻ると、先程の怪我人が北沢と対峙する形で立ち上がっていた。 利弥はその怪我人の異様な風貌に目を疑った。
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