151人が本棚に入れています
本棚に追加
「痛ってえな、畜生……」
隊員はそう呟き、力無くトラックに寄り掛かると座った。
男は倒されたまま暴れている。
「三橋、班長がヤバい!」
国井は利弥を俯せで倒れた北沢の元に引っ張る。
「救急キット出せ!」
「あ、うん!」
利弥は言われるがままに北沢の側に座り込み、ダッフルバッグを開ける。
首の傷口からは血が溢れ出し、止まらんばかりの勢いだ。
北沢の顔には血が飛び散り、死人の様に酷い顔色だ。
「まだ脈はある!消毒液と止血帯持って待ってろ!」
国井はダッフルバッグからペットボトル入りの水を取り出すと、蓋を開け首の傷口にかける。
「貸せ!」
利弥の手から消毒液と止血帯を奪い取り、傷口に撒き散らすと止血帯で傷口を押さえた。
止血帯は見る見る内にどす黒く血に染まっていく。
最初のコメントを投稿しよう!