死者の夜明け

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「痛ってえな、畜生……」 隊員はそう呟き、力無くトラックに寄り掛かると座った。 男は倒されたまま暴れている。 「三橋、班長がヤバい!」 国井は利弥を俯せで倒れた北沢の元に引っ張る。 「救急キット出せ!」 「あ、うん!」 利弥は言われるがままに北沢の側に座り込み、ダッフルバッグを開ける。 首の傷口からは血が溢れ出し、止まらんばかりの勢いだ。 北沢の顔には血が飛び散り、死人の様に酷い顔色だ。 「まだ脈はある!消毒液と止血帯持って待ってろ!」 国井はダッフルバッグからペットボトル入りの水を取り出すと、蓋を開け首の傷口にかける。 「貸せ!」 利弥の手から消毒液と止血帯を奪い取り、傷口に撒き散らすと止血帯で傷口を押さえた。 止血帯は見る見る内にどす黒く血に染まっていく。
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