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「どうすりゃいい!?三橋、止血帯押さえてろ」
国井がそう言った時だった、僅かに北沢が動いた。
「班長!手当てしてます!頑張ってください!包帯付けますから」
国井はダッフルバッグの中から包帯を探す。
突然北沢は止血帯を押さえる利弥の手を強引に振り払った。
「は、班長?」
利弥の呼び掛けには答えず、覚束ない脚で立ち上がる。
北沢は立ち上がるもふらふらと俯いたままだ。
「く、国井……」
異変を感じた利弥がそう呼ぶが、国井は包帯を探すのに夢中だった。
北沢が俯いた顔を上げた、顔は青ざめて目は血走っている。まるで先程の怪我人だ。
「発……ぽぉ……許ぉか」
北沢は何やら呟き利弥を見た。
「ち、ちょっと座ってくだいよ?」
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