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運動場には既に大勢の隊員が整列していた。
利弥達も自分達の分隊の場所を見つけるとそこへ並ぶ。
眠気眼の利弥に、班長の北沢が前から一人一人の肩を叩き確実に人数を数える姿が映る。
北沢班長は利弥が苦手な人間の一人だ。嫌いという訳ではない、ただ人間性が違うだけと言った方が正しいだろう。
「おい、起きてるか!?」
利弥が肩を叩かれたと同時に張りのある声で怒鳴られる。
「あ、はい。大丈夫です」
「眠そうな面やめろ。普段なら腕立てだ」
そう言うと北沢は再び人数を数える。
利弥は溜息を吐くと俯いた。
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