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『皆、静粛に』
前に立つ司令の声が拡声器を通して響いた。ざわめきが小さくなる。
『突然、起こしてもらってすまない。昨晩南坂原にて暴動が発生した。警察では対処しきれないとして、都から自衛隊に出動要請が出された』
隊員達が再びざわつき始めたが司令は続ける。
『実弾の携帯も許可するが、発砲許可が出るまで決して発砲するな。暴徒は店や車を破壊し一般市民に襲い掛かっている。前代未聞の出来事だが冷静に行動してくれ』
三橋はふと腕時計を見たが、まだ五時過ぎである。
十時には寝たはずだが、寝る前までは"暴動"というニュースはなかった。目を引いたのはの通り魔事件のニュースくらいだけだった。
その後も司令は淡々と今回の任務や部隊の展開地点などを事細かに説明した。
『それでは以上。幸運を』
そう司令は締め括り一礼し、隊員達も返礼した。
辺りが騒がしくなり、利弥達の分隊は武器弾薬庫へと向かった。
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