死者の夜明け

8/26
前へ
/26ページ
次へ
トラックは警衛所を抜けて街へと出る。 辺りは住宅街で坂原市でも北側なので南坂原まではあと30分位は掛かるだろう。 「そう言えば、浅野の奴が昨日の夕方襲われたらしいぜ」 井上が真剣そうに言った。 「あんな筋肉野郎襲うとかホモかよ?度胸あるな」 国井は笑いながらそう言った。相変わらず二人だけで盛り上がっている。 「違え。今流行りの通り魔だってよ。太股噛み付かれたらしい」 「怖いな。俺も気を付けないとな」 「お前襲う奴なんて居ねえよ」 利弥は段々と瞼が重くなり、必死に堪えるが目を綴じた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加