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翌朝、姉弟子の家に師匠が出掛けた後、自宅の掃除を済ませて暇になったマーズはロックテイルの宿に出掛けた。
宿屋の若主人は留守で、その弟子で宿屋の下働きをしているアイゼルが留守番をしていた。
一階の食堂に3人ほど客がいて、茶を飲みながら雑誌や瓦版を読んでいる。
マーズは友達に師匠の旅行と留守番計画を話した。
聞くなり、マーズより背が低く、愛くるしい姿の精霊族の娘は、真剣に叫んだ。
「危険よ!!何言ってるの!?
ウチに泊まりなさいよ!!」
マーズは昼時には、借りていた本を返しに、役所の資料室へ行った。
師匠が向かった先の家もこの辺りなので、師匠と会えれば役所の食堂で昼食をとも思った。
役所の資料室には、屍少女のロザリンドがいた。
「まあ…本気なの?
拾い食いでもしたの?」
ゴシックロリータ好きのアンデッドは日頃言いっぱなしの毒舌だが、この日に限って彼女の主人で師匠の幽霊騎士に報告する有様だった。
幽霊騎士は、マーズの師匠の考えではなく、マーズの独断であることを確認してから、
「自立心旺盛はたいへん結構」
と言って、マーズの頭をグリグリと撫で、笑いながら去った。
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