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婚約者たちは、呪われた猫について会話をしている。
会っていきなり、もっと色気ある話はないのだろうか。
自分たちも年頃のエリアルとヤンは、主に人間の恋人たちを観察していた。
が、宿屋と鍛冶屋に子供たちは飛竜に興味深々だった。
ロックテイルは、飛竜の脚から顔まで触るのに成功した。
さらに、仕入れの余り魚や肉を飛竜に与えてみた。
「コイツ、肉より魚食うぜ」
アイゼルは師匠の勧めに従い、自分も鰯を竜の口近くに投げた。
竜は、投げられた魚を器用に口で捕らえて食べた。
「ひゃあ、可愛い!」
宿屋師弟は、嬉々として飛竜を餌付けし始めた。
わざと口から遠くに投げると、飛竜はコミカルに巨体を躍らせて魚を口で捕える。
それがおもしろくて、投げる方はより投げ方にひねりを加えていく。
街道を行き交う旅人たちが、興味深そうにこちらを見るようになった。
通りがかりの旅人たちの視線が気になりだしたマーズは、アリスンを揺すった。
「いかん、すっかり油を売った」
アリスンは、急ぎ荷物を飛竜に積み始めた。
荷物の積み込みも終わり、乗客2人も竜の背に上がる頃、餌の魚も無くなった。
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