11人が本棚に入れています
本棚に追加
.
今日は朝市があるから早く来いって、言われてるのを完全に忘れてた。
「ハァ、ハァ」
やばい。もう始まってる。
それに、もうかなりの人が来てる。
早く行くなら『鳥』。だけどここじゃ駄目だ。
せめて路地に入れば…
急いで近くの人見のつかないところに行く。
素早く「sparrow」と唱えスズメに変わる。
朝市に来ている人達の頭上を猛スピードで飛んでいき、店の露店が見えたところで裏口に周る。
変身を解き店の中で親方に挨拶する。
「おはようございます」
早く露店で売り子をしなければ。
ここが一番稼げるんだから。
「おい、ラルゴ!謝罪の一つもなしか?」
ええ、そう来るだろうと思ってましたよ。
「すみませんでした」
「謝る暇があるなら働け!」
なら謝らせないで下さいよ。とは言わない。
露店に出ると【世界】の外からの付き合いで、幼馴染みのラルゴが売り子をしている。
「急ぐのはいいが飛んで来るなら建物の上にしろよ。それが嫌なら早く起きろ」
「ごめんごめん。で、客は?」
「さっき二人組のが杖を一本買った。今日はまだそれだけだ」
最初のコメントを投稿しよう!