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あれからの1年間…
僕は生徒会長の為ではなく、親衛隊の為、そう言って、再び逃げることを選んでしまった。
入らなければ分からなかった親衛隊の実状に同情した、というのもある。
今なら分かる、好きな人に見ないフリをされる悲しみ、辛さを親衛隊のみんなに味わってほしくなかった。
その結果、僕は親衛隊の嫌われる要因になる仕事、つまりは忠告や制裁の大部分を受け持つようになった。
今では、親衛隊全体での忠告や制裁は前の三分の一になっている。
ただ、僕の独断の忠告や制裁は残りの三分の二をしている為に圧倒的に増えた。
元から制裁は疎か忠告さえやったことなどなかった、という理由があるにしても…
それがいいことだとは言えないが、生徒会長の為に進んで嫌がられる仕事をしていると思われたのだろう、
僕はついに親衛隊長になってしまった。
まだ二年生だというのに…
唯一の救いはこうちゃんと入れ代わるように友達になった多奈川凌吾-タナガワ リョウゴ-、りょうちゃんの存在だった。
隊長が副隊長を指名できると知った僕は、迷わずりょうちゃんを指名した。
そうして新しい生徒会長親衛隊はスタートした。
一般生徒でさえ恐れる鬼百合の異名を持つ僕、宮幡瑛-ミヤハタ エイ-を隊長として…
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