Prologue -過去の過ち-

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確かにここ、鳳仙学園の生徒会長に就任した生徒の名前は鳳皇司-オオトリ コウジ-、『鳳』家の『こうちゃん』だった。 それにあの頃のこうちゃんの面影もあった。 けれどあのこうちゃんではない。 そう気づいたのは、彼の親衛隊に入って挨拶をしに行ったときだった。 『会長様、新しく親衛隊に入った一年生です。』 『ああ。』 たったそれだけの受け答え。 しかしそれだけで分かってしまった。 彼ではないと… いや、正確にはそう思おうとしただけかもしれない。 ちらりとこちらを見たきり、手元の資料しか目に入れようとしない生徒会長を見て。 あのこうちゃんじゃない。 だって、あのこうちゃんなら僕に気づいたはずだ。 そう思わなければやってられなかった。
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