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とある病院の一室。
そこには、いくつもの医療器具を装着されており、衰弱した男性とそれを看取っている女性がいた。
男性は、うまく動かない口を最期の力を振り絞って言った。
「君には僕から謝らなければならないことがある」
女性は、目に涙を溜めながら、
「今更そんなことを言わなくてもいいのに……」
と優しく男性の肩に手を添えた。
「……いいや、言わせてくれ。言わないと救われないような気がする」
その時、男性は喀血をした。
それは、もう彼に残された時間は残っていないことを意味する。
男性は、震えた声で……告白した。
「実は、君の預金を使って、君の友人である他の女に貢いでいたんだ。それに最近、君に仕事がなくなったのは、その女が頼んできたのを断れなかっ……」
一定のリズムをとっていた電子音は、単調な電子音に変わった。
そう、彼は告白の半ばで果てたのだ。
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