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夜中の裏路地。
大雨が降り、時折雷鳴が轟く。
そこに彼は座り込んでいた――…
傘もささず、雨と血で服はビショビショになってる。
“なんでこんな事になってしまったんだろう…”
浮かぶ言葉はそれだけ。
彼の頭の中は真っ白だ。
全く理解できていなかった。
いや、理解したくなかったのか。
彼の膝の上には同じ歳ほどの少年がいた。
ただ――…
息をしていない――…
「ゔわァアァアァァァァ――――……ァッ!!」
それは彼の中から耐えきれずに溢れ出した悲痛な抱口。
後にはただ悲しく雨と雷の音だけが響いていた――…
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