一章:Good friends

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階段を上がってすぐの部屋、そこがショーゴの部屋だ。 勇士は勢いよくドアを開けると大声で叫んだ。 「ショーゴ起きろォォッ!!」 「……―う、んん………」 更に叫んだ。 「起・き・ろォォッ!!」 「……―うッせぇなぁ~何だよもぉ~」 彼の名前は吉田正吾 高校二年生で勇士とは幼馴染みで小さい頃からの親友であり、同じ学校の同級生だ。 何故一緒に暮らしているのかというと――… 勇士は中学三年生の時両親を無くしている。 卒業祝いに家族で旅行に出たその日、車で目的地を目指していると山道で居眠り運転のトラックが突っ込んで来た…… 車は崖から転落し、父親は即死。 母親は瀕死ながら勇士を守るように覆い被さり “大丈夫……大丈夫………” そう言いながら必死に勇士を抱きしめていた。 しかし、あまり車が通らない山道だったので発見も遅れ、母親は出血多量により死亡。 母親に守られたおかげで勇士は奇跡的に打撲や擦り傷程度で助かったのだ。 その後、身よりのなかった勇士を引き取ったのが親友である正吾の親だった。 親同士も中が良かったし、勇士の事もよく可愛がってくれていた。 そして名字も後藤から吉田に変え、勇士は吉田家の一員となったのだ。 「シンが墓の公園に集合だってよ!」 「マジ!?しょーうがねぇなぁ~…用意するからちょい待ってて。 ……てかお前も用意しろや!!」 勇士もパンツ一丁だった… 「ハイハイよ~」 勇士は笑いながら自分の部屋へ戻っていった。
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