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そしてその夜、俺は発作を起こした。
救急車で、最寄りの病院ではなく、夜間の病院へ運ばれた。
朦朧とする意識の中、痛む肺が、母さんの今までの痛みのような気がした。
ごめん、母さん。
俺の頭はずっと、母さんの泣き顔とそれに対する謝罪の言葉ばかりを繰り返していた。
そして朝、俺は隣町の病院に入院することになった。
運ばれた病室は2人部屋だった。
窓際に置かれた左のベッドには、長い黒髪をベッドに撒き散らして少女が寝ていた。
彼女との出会いが、俺の日常を変えることになるなど、この時は思いもしなかった。
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