プロローグ

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チュンチュンと雀の鳴く声が朧気な頭の中に響く カーテンの隙間から射す太陽が眩しい 光から逃げるように身を捩り、その勢いで起きあがった――までは良かった 「っあー…ったま痛ぁあ」 普段感じることのない気だるさと頭痛 目の前にあるテーブルの上には無造作に転がるビール缶 もちろん中身は入っていない 1、2、3、4… 「あぁあ――…」 どうやら二日酔いの頭は数えるだけで痛むらしい らしい、というのもこんな状態になったのは初めてだからだ 「おーい、くそオヤジー」 「あ、愛さん!そんな呼び方ダメですよ」 「いいんだよ、どうせ上でまだ寝てんだから」 開いてるドアから従業員達の会話が聞こえてきた 手元に置いてある携帯のアラームはとっくに鳴り止んでいる 痛む頭を押さえながら急いで着替えた
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