盤/上/1

11/12
前へ
/29ページ
次へ
「てか、どこ行ってたの?」 あたし達はいつも一緒に帰ってて、何故か今日は“部室で待ってて!”なんて言われてたから待っていた。 「あ~……、吉村先生の所。」 「?、何で?」 「…どうやったら恋愛経験が出来るか、とか?」 「……何でそんな事聞いてんのよ。」 「ほら、房野先生と付き合ってるから…。」 「てかさー……何でいきなりそんなの気になっちゃったの?」 「…………俺、好きな人、いるんだ。」 「…………!」 「その子と釣り合うようになるにはちゃんと…そーゆー事出来るようにしないと、だから。」 何、ショック受けてんのよあたし。 あたしは太一の事好きな訳ない。 あたしはあの人を、生涯忘れられないしあの人しか愛せないと思ってるから。 「……………。」 「な、なぁ!」 「…太一?」 「俺に教えてくれよ。やっぱり、お前にしか頼めないよ。」 「………………。」 「……あ、いや、ごめん。やっぱり嫌だよね…?」 「…………やる。」 なのに、何でだろ? 「あたしが、太一の彼女になるから。」 何で、あたしこんな事言ってんの? .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加