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教室を出ようとしたら向井に呼び止められた。
…………?
「っ、だまさん…っ。」
「どうした?」
「っっ…何でも、ないです。ごめんなさい!」
「…………?じゃあな?」
「はいっ、また明日、」
ガララッ、と教室の扉を開けると目の前にしゅう子が立っていた。
「あ、しゅう子ごめん。遅かった?」
「……………。」
「待たせてごめん、じゃあ帰ろ?」
「……うん、平気。」
「でさぁ、太一が馬鹿なんだよね~…。」
「…………。」
「……どうした?しゅう子変だぞ?」
「え、?そんな、変じゃないよっっ!」
「ぐわぁっ!お前、首締めんなって……!!」
「ふふふっ……、」
ちゅっ
「…………しゅ、子?」
「大好きだったよ、だまさん……。」
捕まれていた首を引き寄せられて軽いキスをされて耳元で優しくそう囁かれた。
“だった”、って…何なんだよ。
「じゃあねだまさんっ!」
「っちょ、しゅう子!」
「今日はここで良いっ、バイバイ!」
しゅう子は呆然とする俺を置いて帰ってしまった。
俺はそんなしゅう子をただ見ている事しか出来なかった。
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