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あの日から3日が経った。
…しゅう子がおかしい。
「………今日も来なかったな、しゅう子。」
「……うん。」
朝、約束してなくても俺を待ってくれていたしゅう子があの日からいなくなっていた。
帰りだって俺の顔を見ずに先に帰ってしまう。
それに、何だか無視されてる感が半端無いんだが…。
「…健、俺何かしたかな?」
「いや…俺も分かんないや。」
健に聞いても、理由は分かんなかった。
「………しゅう子、」
「どうしたの?」
「…ちょっと来て、」
「ここで話せば良いじゃない。」
「……っ大事な、話だから。」
「……………そ。」
久しぶりに2人で話した。
…なのにしゅう子は無表情。
俺と、話したくなかったのか?
「…何?」
俺達は、大事な話をする時はいつも屋上に来ていた。
告白したのも、喧嘩をしたのも初めてキスしたのも屋上だった。
「あの、さ、しゅう子…。」
「速くして?…仁、待たせてるの。」
「…っなぁ、今日一緒に帰ろうよ。話そうよ?」
「何を?何を話すの?」
「っ………、」
「ねぇ、だまさん覚えてた?今日であたし達1年記念日なんだよ?」
「…………。」
忘れる訳が無い。
だからこうやって誘ったのに。
どうして、しゅう子は分かってくれないんだ?
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