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「だまさん、忘れてたでしょ?」
「…忘れてなんか無いよ。」
「分かんないなぁー、だってだまさん意外と忘れんぼだから。」
「忘れないよ、そんな大事な約束……っ。」
「…………そっか。」
少しだけ、嬉しそうにしゅう子が笑ったから安心した。
そうだ、俺はしゅう子の笑顔が見たかったんだ。
「だまさん、」
「んぅ?」
「別れよ?」
「…え、」
「ふふっ、そんなびっくりする?」
しゅう子が何を言ってるか分からなくなる。
何で、何で?
「…な、んで。」
「……理由なんて無いよ?」
「…………、」
「…恋は何度でも出来るよ、だからあたしの事なんか忘れてよ?」
「何で、そんな事言うんだよしゅう子、」
「またね、だまさん。」
「待てよしゅう子、しゅう子っ!!」
しゅう子は走って屋上を出て行ってしまった。
頭が真っ白になって倒れそうになるぐらい気持ち悪い。
俺、別れたのか…?
しゅう子に、フられたのか……?
『(君がいなくちゃ、息も出来ないぐらい。)』
「(涙が、思い出の場所で零れた。)」
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