果/汁/1

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「だまさん、忘れてたでしょ?」 「…忘れてなんか無いよ。」 「分かんないなぁー、だってだまさん意外と忘れんぼだから。」 「忘れないよ、そんな大事な約束……っ。」 「…………そっか。」 少しだけ、嬉しそうにしゅう子が笑ったから安心した。 そうだ、俺はしゅう子の笑顔が見たかったんだ。 「だまさん、」 「んぅ?」 「別れよ?」 「…え、」 「ふふっ、そんなびっくりする?」 しゅう子が何を言ってるか分からなくなる。 何で、何で? 「…な、んで。」 「……理由なんて無いよ?」 「…………、」 「…恋は何度でも出来るよ、だからあたしの事なんか忘れてよ?」 「何で、そんな事言うんだよしゅう子、」 「またね、だまさん。」 「待てよしゅう子、しゅう子っ!!」 しゅう子は走って屋上を出て行ってしまった。 頭が真っ白になって倒れそうになるぐらい気持ち悪い。 俺、別れたのか…? しゅう子に、フられたのか……? 『(君がいなくちゃ、息も出来ないぐらい。)』 「(涙が、思い出の場所で零れた。)」 .
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