盤/上/1

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「…あ、文田。」 「何、」 「後ろだったんだね。」 「まぁ、ね。」 「これからよろしくね、文田。」 「ん……。」 何か、気まずい。 気まずい雰囲気作ったの太一のクセに、何であたしまで気まずくなんなくちゃいけないのよ。 「…………はぁ。」 本当、面倒臭い。 「文田さん、俺と付き合って下さい!!」 …今日は何でこんなに面倒臭い日なんだろう。 「いや、あの……その前に君誰?」 「1年の佐藤洋平です!入学式の時、一目惚れしました!」 「入学式って言われても…あたし何にもしてないし。」 「文田さんの笑顔を見た瞬間ビビッと来たんです!お願いします、付き合って下さい!」 一日で2人も告白されるの、人生で初めて。(いや、だけど太一のは絶対に違う。) だけど、困ったなぁ……。 「あたし、洋平君、だっけ?話した事無いじゃない。」 「っじゃあ、じゃあ友達からでも!」 「ま、まぁ……友達だったら、」 「文田ぁー、一緒に帰ろうよー。」 ガララッ、と部室(囲碁・将棋部ね。)の扉が開いたと思ったら太一が立っていた。 うわ、マジで面倒臭い事になったんだけど…。 .
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