第一章

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 扉を開くと目の前に広がるのは春の陽光に満ちた教室の風景。  いつもと変わらないはずのクラスだが、今日はやけに騒がしい。  まるで何かビッグイベントでもあるかのようだ。  俺が席に着くと、どこからか足音が聞こえてくる。まあ、だいたい主はわかるけどな。 「猛~、今日新しく転校生が来るんだってさ!」 「……転校生? あっそ、おめでとさん」 「え、反応薄いよ~!」  明るい茶髪を元気に揺らして俺の肩を揺すってくる目の前の女子生徒。  ガンガンと揺らされ、と頭が痛くなる。朝は弱いって知ってるくせに。 「おい、やめろ。頭痛い」 「ニャハハ、照れなくともよい」 「誰がだバーカ」  猫娘にデコピンをかます。俺のとっておきだ。
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