第一章

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「今日は大事な話がある。うちのクラスに転校生だ」  そんな担任教師の一言で始まった今日のHR。  当然、男子も女子もこういう話は好きだろうから、教室には歓喜の声が上がってくるわけで。  対して、俺は特に何とも思っていない。  あまり人が多いのは好きじゃないし、何よりこの盛り上がりが嫌いだ。鬱陶しくてたまらない。 「んじゃ、まずは名前から……」  そう言って、黒板にお世辞にも綺麗とは言えない字を並べ始めた。 「おっしゃー、女子じゃん!」 「えー、最悪なんだけどー!!」  やがて二つに別れる声。  途中からどうでもよくなって窓の外に視線をやっていた俺だが、その様子からして転校生は女子なんだろう。  だが、それも俺には関係無い。クラスという組織に新しく一人加わるだけ。結局、自分とは大した関わりの無い単なる他人に過ぎない。  そう思うと、もう本当にどうでも良くなってきて、ほんのり暖かい朝の日差しに誘われて夢の世界に旅立つ──
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