きっかけ

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俺は袋から適当に紙を選んで引く。 「………35か。」 俺はポツリと呟き、黒板を見た。 一番後ろの席か。 まぁ寝るのには丁度良い場所だな。 俺は新しい席に満足しながら黒板の方に向かった。 “35”と書かれた数字の升に自分の名前を書く。 続いて新しい自分の席の両サイドを見た。 まだ埋まってねーな。 両サイドに来るのは、女か男かさえわからない。 なんてったって男女混合なんだから。 ま、誰が来ても別にいいんだけどな。 出来れば仲が良いやつがいい。 もう黒板に用はなくなったので自分の席に戻った。 * * * 全員引き終わったみてーだ。 ぞろぞろとみんな黒板の方に向かっている。 その中にあいつの姿はなかった。 あいつの席を見るとまだ座っている。 あいつの周りは全員黒板に書きに行っている。 だから余計あいつだけが目立つ。 まるで授業の時みたいだ。 ただ違うのはあいつが下を向いているってことぐらい。 それにしても…何で書きに行かねーんだ? もうくじ、引き終わったくせに。 未だに動こうとしない。 そうこうしている間にあいつの周りのやつらが戻ってきた。 すると、待ってましたと言わんばかりにあいつが立ち上がった。 そしてそのまま黒板の方に。 黒板にはもう誰もいなかった。 いるのはあいつだけ。 すっげー目立ってんな。 あいつ、席どこなんだ? よーく見てみると、“42”の所に書き出した。 初めて見るあいつの字。 結構綺麗なんだな。 って、ちょっと待てよ。 ………もしかしてあいつ、俺の隣か!?
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