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翌朝、俺はいつも通り学校に行った。
て言っても俺のいつも通りはギリギリのことなんだけど…。
今日もギリギリ間に合いそうだな。
そう思い俺はクラスのドアを開けた。
すると、開けるのと同時に
「遅い!」
っと言って仁王立ちしている担任の姿があった。
は?
遅い…ってギリギリ間に合ってんだろが。
俺は担任を睨み付けた。
っていうか何でもう担任がいるんだ?
いつもならこの時間はまだいねぇのに…。
不思議に思い、クラス全体を見渡した。
そこには有り得ない光景が広がっていた。
何で全員揃ってんだ?
俺の疑問はそこだった。
周りを見たら空いているのは俺の席だけだった。
有り得ない。
遅刻の常習犯までもがもう椅子に座っている。
決して遅刻になったりはしていないが、俺より遅く来るやつまでもが平然と椅子に座っている。
何だ、この光景は…。
俺がこの状況に驚いていると、担任が溜め息まじりに聞いてきた。
「井上、昨日俺の話聞いてたか?」
昨日の話?
いいえ、全く。
…なんて言えるわけもなく、黙っていた。
そしたら担任がはぁーっと溜め息をついて口を開いた。
「黙ってるってことは聞いてなかったんだな…?」
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