目標

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俺は毎日キミを見ていた。 いつもは下を向いてばっかのキミだけど授業中だけは上を向くから。 髪で隠れた顔が今だけはチラチラ見える。 一生懸命授業を聞いてノートをとっている。 そんなキミの姿は可愛らしかった。 その姿を見てるのはきっと俺だけだ。 みんなは知らない。 キミがどんなにかわいいのか。 俺だけが知っている。 小動物のようにいつも怯えている姿。 いつしかそんな姿も可愛くてたまらなかった。 みんな気付けばいいのに。 いや、気付かないで。 それに気付いているのは俺だけでいい。 俺にはこの気持ちが何なのかさっぱりわからなかった。 ―――…いつかキミの特別になれるといいな。 この気持ちが何なのか知るのはもう少し後の話。
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