プロローグ

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「……あれ?」 佐倉は呟いた。 おかしい。声が……。 それだけじゃない。目の前にいるのは先生と、佐倉水樹……ではなかった。 俺の姿がそこにあった。 結論から言おう。 非常に信じがたいことだが、俺と佐倉の中身が入れ替わっている。 「なんでぇぇええ!?」 「う、うそ……」 俺は佐倉の姿で叫んだ。佐倉は俺の姿で呟いた。 「……へぇ、スゴいわ」 関心するように呟く先生に俺と佐倉は言った。 「もとに戻してよ!」 「どうしてくれんだよ!?」 先生は笑顔を引きつりながら、携帯を取り出した。 「ちょっと待ってて……」 誰かに電話し始めた先生。おそらくオジサンにだろう。 「佐倉ってさ」 「ん?」 俺の姿で、腕を伸ばし後ろで組んでこちらを振り返る佐倉を見て思ったが 俺の姿でそういう女の子っぽい仕草は止めてほしい。 正直見ていて吐き気がする。 そして、自分の胸に手を置いて言った。 「お前って胸ないのな……」
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