88人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あれ?」
佐倉は呟いた。
おかしい。声が……。
それだけじゃない。目の前にいるのは先生と、佐倉水樹……ではなかった。
俺の姿がそこにあった。
結論から言おう。
非常に信じがたいことだが、俺と佐倉の中身が入れ替わっている。
「なんでぇぇええ!?」
「う、うそ……」
俺は佐倉の姿で叫んだ。佐倉は俺の姿で呟いた。
「……へぇ、スゴいわ」
関心するように呟く先生に俺と佐倉は言った。
「もとに戻してよ!」
「どうしてくれんだよ!?」
先生は笑顔を引きつりながら、携帯を取り出した。
「ちょっと待ってて……」
誰かに電話し始めた先生。おそらくオジサンにだろう。
「佐倉ってさ」
「ん?」
俺の姿で、腕を伸ばし後ろで組んでこちらを振り返る佐倉を見て思ったが
俺の姿でそういう女の子っぽい仕草は止めてほしい。
正直見ていて吐き気がする。
そして、自分の胸に手を置いて言った。
「お前って胸ないのな……」
最初のコメントを投稿しよう!