88人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
実際、俺はそんなファンタジーみたいなの信じたりはしていないが。
もしも! ってことがあるわけじゃない。
「……どうかした?」
「さっき、風邪っぽいって言う女子に一錠あげちゃった」
汗をダラダラ流しながら、こんどは俺がテへっと下を出す。
こんなに心臓がバクバクすんのは初めてかもしれない。
信じてはいない。
宝くじとかだって、当たらないと思いながら買っても、もしかしたら……って感じでドキドキするだろ?
あれと同じ原理さ。マズいぃぃぃいいい。
何、この気持ち。なんか怖い。
「マズいわ。早く追いかけて止めないと。……知ってる子?」
「あぁ。同じクラスだからな」
俺と先生は急いで保健室を出た。
最初のコメントを投稿しよう!