プロローグ

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実際、俺はそんなファンタジーみたいなの信じたりはしていないが。 もしも! ってことがあるわけじゃない。 「……どうかした?」 「さっき、風邪っぽいって言う女子に一錠あげちゃった」 汗をダラダラ流しながら、こんどは俺がテへっと下を出す。 こんなに心臓がバクバクすんのは初めてかもしれない。 信じてはいない。 宝くじとかだって、当たらないと思いながら買っても、もしかしたら……って感じでドキドキするだろ? あれと同じ原理さ。マズいぃぃぃいいい。 何、この気持ち。なんか怖い。 「マズいわ。早く追いかけて止めないと。……知ってる子?」 「あぁ。同じクラスだからな」 俺と先生は急いで保健室を出た。
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