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クスリを持って行ったのは、同じクラスの佐倉水樹。
学園の中では超がつくほどの人気者だ。もちろん男から。
保健室を出た俺と先生は廊下を走る。
俺たちのクラス、2年B組は3階にある。
廊下を走る俺と先生は角を曲がり、階段を一気に上る。
2階……3階……。
階段を上り終えたら右に曲がる。3つ目の教室がB組だ。
「あそこだ!」
「了解よ……」
あまりの急ぎように、廊下にいる生徒は驚いたような目で俺たちを見ている。
だがもう関係ない。
ガラガラと勢いよくドアを開いて、狭い入り口から俺たちは教室内を見渡す。
自分のクラスとは言え、きっと何コイツみたいな目で見られてるに違いない。
「どの子?」
「えっと…………あいつだ!」
教室の窓際の列の一番後ろの席に座っている。
机の上には水の入っているペットボトル。
飲んだか飲んでないかは分からない。
ちょっと考えているうちに、隣にいた先生はすでに走り始めていた。
「あ……ちょっ」
俺も走る。
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