プロローグ

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「ちょっと君」 「……はい?」 佐倉は驚いて、普段からパッチリ開いている目をさらに見開いて先生を見る。 「保健室でもらったクスリを飲んだ?」 ……飲んだか? それとも飲んでないのか。 答えを聞く前に、俺も佐倉の席の前につく。 「あ、あんたさっきの……」 「「飲んだの? 飲んでないの?」」 焦りすぎているせいで、セリフがまるまる被って、しかもハモった。 「飲んだわよ。やっぱり風邪薬って苦いね……」 飲んだわよ……飲んだわよ……飲んだわよ……。 佐倉の言葉が、まんまリピートされる。 「せ……先生」 「えぇ……恐れていたことが起きてしまったわ」 佐倉は何のことか分からず、目の前でアタフタする俺たちを見ている。 「なになに? なんなの?」
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