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「これが師匠が渡してきた物だよ。
まずは蓋を開けようよ。」
うどんげが荷物から取り出した物は小さな紙の箱であった。
両手を添えるように蓋の手前を持ち、ゆっくりと奥から開くように開ける。
「変な事が無くて良かった……
中にあるのは、和菓子だね。」
うどんげが安堵の溜め息をついてから中を覗きある物を確認する。
箱の中にあるのは、色とりどりの様々な形の和菓子である。
水気はほとんど無く乾燥しているが、うどんげが持ってきたお茶があれば問題にはならない程度である。
「せっかくだから桜茶と一緒に食べよ。
今、煎れるから待っててね。」
うどんげが再び、塩漬けした八重桜に煎茶をかける。
もちろん、今度は自分の湯呑みと男の湯呑みの二個にである。
「それじゃあ、食べよっか。」
湯呑みの中の桜が咲いたので、うどんげと男はそれぞれ桜の花の形をした和菓子を取る。
「う~ん!おいしい!」
うどんげが菓子を少し口に入れ、桜茶と共に飲みこんでから言う。
「本当においしいね。」
男もうどんげに同意する。
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