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浅月は金庫からマスターキーの束を取り出し、管理票に自分の名前と貸出時間を記入した。
そして、15:30ちょうどにパソコンで打刻をして事務所を出る。
マスターキーの束をジーンズのベルトを通す部分に取り付けながら店内を歩き、店長を探した。
早番も中番も上がってしまって、この時間は店長しかいない。
UFOキャッチャーコーナーの新入荷景品をチェックしつつ一周りしたところで、シュミレーションゲームコーナーへ向かう。
コーナー入口から見渡すと、ガンシューティングゲームをプレイする少女が一人いるだけだった。
少女はこの辺では見かけない紺色のセーラー服を着ており、背中まで伸びた黒髪は艶やかで、拳銃を構える手は異様に白く細かった。
少女は、コーナー入口に立つ浅月に気づき、チラリと見た。
浅月と少女の目が一瞬合ったが、気にせず少女はまたゲーム画面へと視線を戻した。
浅月が少女の他に誰もいないことを確認していると、少女がいるゲーム機の手前に店長がしゃがみ込んでいるのが見えた。
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