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「あ~、やっぱりダメだわ」
店長はドライバーを持った手で、トントンと腰を叩きながら立ちあがった。
「店長、おはようございます」
浅月は店長の側まで近づき、少し大きめの声で挨拶をした。
「お、浅月さんおはよう。もうそんな時間か」
そう言いながら腕時計を見る店長の額には、薄らと汗が滲んでいた。
「またコイツのメンテナンスですか?」
「そうなんだよ。
どうも最近調子が悪くて困るんだよね。一回業者呼んだ方がいいかもな。」
二人の視線は、少女がプレイするゲーム機の方を向いていた。
少女は二人のことなど気にも留めず、ひたすらゲーム画面を撃ち続けていた。
「さ~て、浅月さんも来たことだし、俺休憩行ってくるわ。1時間くらいで戻るから、後よろしく」
店長は持っていたドライバーを浅月に渡すと、カウンター横にあるバックヤードの入口の方へ歩いて行ってしまった。
浅月はチラリと少女を見てから、店内の巡回を始めた。
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