【15:30】

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巡回は10分程度で終わってしまった。 景品を補充しなければいけないゲーム機も特になく、お客に呼び止められることもなかった。 店内には少女の他に、買い物帰りの親子と小学生くらいの男の子が2人、大学生のグループが1組だけだった。 とりあえず、営業スマイルで「いらっしゃいませ」と声を掛け、店員がちゃんと見てますよ、とアピールをして回ったくらいだ。 まあ、防犯・不正対策なのでこれも立派な仕事だと、浅月は思っている。 巡回を終えカウンターへ戻ると、出勤したときにはなかった段ボール箱が6個も積まれていた。 その横には、包装用のビニール袋とモールの束、プラスチックのリングが入ったカゴが置いてあった。 「店長め…」 どうやら、休憩前に店長が用意していったらしい。 カゴの中には、ビニール袋とモール、リングの他に指示の書いてあるメモが入っていた。 『浅月さんへ ストックもうないから、お菓子のアソート作っといて。アソート内容はいつもので。 週末分もよろしく!』 お菓子のアソートとは、UFOキャッチャーなどの景品用に、市販のお菓子やゲーム景品限定のお菓子を詰め合わせにしたものだ。 普通にビニール袋に詰めるだけでなく、GETしやすいように封をするときにプラスチックのリングを付ける。 これが結構めんどくさい。 浅月はしぶしぶ作業に取り掛かった。
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