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こういう地味な作業が嫌いではない浅月でも、大量にあるとげんなりする。
15分に1回は店内巡回をしなければならないため、作業はなかなか進まなかった。
カウンター後ろの壁に、雑に掛けてある時計を見ると16:35を指していた。
「そろそろ店長が戻ってくる頃かな。」
そう思いながら浅月はバックヤードへの扉を見るが、まだ戻ってくる気配はなかった。
浅月が作業に戻ろうとすると、バタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
いつも休憩時間を過ぎても、のんびりと戻ってくる店長にしては珍しい。
バタンと大きな音を立てて扉が開いた。
浅月と同じTシャツを着た、細身で背の高い男が息を切らせて入ってくる。
それは明らかに店長ではなかった。
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