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「暗部への移動も決まって、流石にそのまま行かせるのも、どうかと思ったジジィが隊に入る前に、3日間の完全休暇を入れたんだ」
「火影様が?」
「あぁ、ジィさんカカシの事、かなり気にかけていたからな…」
ふぅ~んと、以外そうに紅は頷いた
「そー言えば、あん時が初めてだったな」
ニヤッとアスマが口角を上げた
少し、気味悪そうに紅が聞いた
「何が?…」
「コイツは人前で感情を出す事がまず無くてよぉ~、上忍の間でも一歩引いた存在だった訳よぉ」
(て、ゆーか、コイツが誰かと会話のキャッチボールしてるの見た事無かったな…)
昔を思い出してアスマはしみじみ思った
「休みの初日に偶然コイツと出くわせて、墓参りに行ったんだ…」
「墓参り? 慰霊碑に?」
アスマは頷いた
「それまで、カカシからは『アンタ』とか『お前』としか呼ばれた事なくてな、慰霊碑の前で行き成り『忍って何?』とか聞いてきやがってよ」
「上忍になってからの質問にしては凄い内容ね…」
かなり、以外だと言う感じで、紅は口にした
「だろ? 流石に俺もビックリしたぜ」
「で、アスマは何て答えたの?」
興味津々の瞳で、紅がにじり寄ってきた
「里の要か里を守るモンじゃねぇのかって言ったなぁ~」
(何だ、結構普通の答えね…)
「で?」
「そしたらコイツ、『自分の命も惜しくないのに、何を守るんだっ!』って、感情的になってなぁ」
「おれが、………」
アスマは行き成り会話を止めた
どうしたのかと、紅が見上げると、耳だけ真っ赤にしたアスマが明後日の方向を見ていた
「何? どうしたの? アスマは何って言ったの?」
紅への態度からして何か面白い事が聞けそうだと、問いただした
「……分かりやすい所、あ……者じゃないかと……」
耳だけ赤かったアスマの首がみるみる赤く染まっていった
「あ? 何よ? 気になるでしょ? ハッキリしなさいよ!」
まず、お目にかかれないアスマの照れっぷりに、女王様の血が騒ぐ
「手っ取り早く、愛するモンだって、言ったんだよっ!!!」
アスマは、真っ赤になりながら、紅の瞳を見つめ、バツの悪そうに後頭部をガシガシ掻きながら言った
「そ…ぅ……」
あまりにも以外な返事に紅も自分の頬が赤くなっていた
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