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アスマは、気を取り直して、新しい煙草をくわえた
「まぁ、なんだほらっ、そんな考えのカカシだったんだがな、運命的な出会いをしたわけだっ!」
「休みの最後の日、マジに相談に来てな…プッ!!」
すでに、アスマは当時を思い起こし、笑いを堪えるのに必死だった
「前日に子供に構ってしまった、今日も会うんだけど、何かイライラするって…」
「? イライラするなら会わなきゃいい事じゃない?」
紅が突っ込んだ
「イライラの内容が、幼稚園生でもわかりそうな事でなっ!」
「???」
「カカシの奴、その相手に惚れちゃったんだよっ!俗に言う、一目惚れってヤツッ!」
「はぁ?」
紅は、本気で呆れてしまった
「カカシの中では、初めて人に惚れたらしくて、分けのわからん感情に苛ついててなぁ」
アスマは、既に、涙目で笑いだしていた
「でも、コイツは次の日から暗部に行く事が決まっていたから、気付いても、どうする事もできなかったんじゃないか?」
さっきまで、大笑いしていたアスマは、少し寂しそうにカカシを見た
忍には基本、恋愛感情が一番困る
その感情のせいで、命を落としたり、敵に隙を与えてしまう事等ザラだ
「そのまま、コイツは暗部に行って、何があったかは聞けなかったが、一年程たって会ったカカシは前とは違ってたな…」
「どんな風に?」
「技や術何かは、数倍上がっていたんだが、以前の見境無く人を傷つける気配はまったく無くなっていて、尚且つ生きて必ず帰ると考える様になっていた…」
「だから、コイツは暗部の中でも人気はあったな…前のコイツをしってたら別のヤツの変化かと思う位、当たりが柔らかくなっていたからな…」
「そこまで人を変えてしまう位、好きだったのね…」
紅も、寂しそうにカカシを見た
「ねぇ、でも、今の中忍か上忍辺りにいる人なんでしょ? 名前は?」
「カカシのヤロー、相手の名前を知らないんだ、尚且つ、相手の当時の記憶もご丁寧に消したらしい…」
「そこまでしてるのに、忘れられないの!?」
「でも、最近は彼女作ってないけど、里の中忍以上の忍でそれらしき女性はもう居ないわよね?」
「あぁ、後は任務の時に死んだか、結婚して降りたかだな……」
「どちらにしても、やり切れないわね…」
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