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(俺を肴に何か言ってやがるなぁ)
酔ってテーブルに突っ伏したカカシは、時折耳に入る自分の名前に、ロクな話じゃないなと、朧気に考えた
自分でも驚く位、珍しく酔った
と、言っても飲んでる相手がこの二人では無かったら絶対に見せない姿だ
(はぁ、先生かぁ~、ガラでもないねぇ~、暗部に戻りたぁ~い……)
このスリーマンセルで飲むと、午前様どころか朝日を拝む事などザラだ
ウトウトしていたカカシに
「おりゃ!酔っ払いっ!帰るぜ」
と、ゴチンと頭を殴られた
「い…たぃ……」
「もう少し優しく起こしてよっ!!」
口を尖らかせて、カカシは不貞腐れて言った
「なぁにが、優しくだ!? どの面下げて言ってんだばぁ~か、面倒臭ぇ!」
ちゃっちゃと会計を済ませ、アスマと紅は、店の外へと出た
暫く、ウトウトしていたせいか、酔いも幾分か醒め、足取りはしっかりとカカシも後を追った
「じゃあな、カカシ!」
「じゃあね、カカシ、あちこち破壊しないで帰ってね」
「破壊って何さ?破壊って…」
カカシは心外だとばかりに言った
「あら?だって前回、自宅のドア破壊したでしょ?他人様には迷惑掛けない様にね」
まるで壊す事が当たり前の様に、紅が言い放つと
「あん時は鍵失くして仕方なく、そうしたのっ!!」
言い訳するカカシに
「じゃあ、今度は失くさない様にね」
と、ハイハイと呆れて紅は歩き出した
「おやすみっっっ!!」
これ以上言われたら適わないと、カカシはさっさと二人から別れた
(あれ?確かアスマと紅のウチって、全く違う方向の筈だけど…)
足を止めて、ちょっと考えて
(ふ~ん、そーゆー事かっ! 今度会ったら、髭の奴からかってやろっとっ!)
ちょっと、猫背気味に、両手をポケットに突っ込み、その場面を想像しながら、ニヤニヤ歩き出した
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