ニアミス

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(そう言えば、紅がアノ卒業には中忍が関わったとか言ってたなぁ~、じゃあ、コイツが例のジジィのお気に入りか?) そんな事を考えてたら 「掴まって下さい…」 目の前の男は、手を差し出して来た (デジャヴだな…) あの時とまるで同じ場面 「どうも…」 と、短く言った 胸の奥がザワザワするのを感じながら、男の手を取る ゾクゾクッ!! 男の手を取り、引き上げて貰った瞬間、背中を走る感覚に思わず、手を振り切ってしまった 「………っ!」 (何だ!? この感じ…!?) カカシの意味不明な行動に、目の前の男は何かを言い掛けたが 「もう、いいよ…」 と、カカシは、さっさと、その場から離れた その後ろ姿を見送りながら男は、ひょっこり顔を出した月明かりに煌めく、カカシの銀髪に見とれていた 暫く、無我夢中で、屋根から屋根を跳んでいた ある軒先で、チャクラのコントロールを乱し、カカシは地面に降りるしかなくなった (何やってんの俺? さっきのは何だったんだ?) まるで、初めて女を抱いて、相手に挿った瞬間みたいな感覚 実際、興奮している 「ふーぅ」 興奮を抑えようと、大きく深呼吸してみる (効果なしかよっ…) (いよいよ、郭のお世話だな…) カカシは頭をガシガシ掻きながら、里の外れにある郭に向かった 普通の人の足だと、裕に3時間程の道のりでも、カカシだと40分程で到着した (まいったな…まだ、治まんないねぇ…) 通いなれた、店の前でカカシは、どうしたもんかと、考えていた 「あらっ? 吉さん、お久しぶり、いらっしゃいませな…」 カカシに向かって、2階から、肩も露わな女性が声を掛けた 吉さん… 勿論、偽名である 忍である事も伏せてある もしかしたら、バレてるのかもしれないが、こーゆー店の者は、詮索等しない カカシが店に、足を運ぶのは、本当に久しぶりだった 任務が終わった後、治まらない興奮を静めてもらう為に通う 素人に付き合って貰ったら、相手を壊しかねない… 玄人だからこそ、なのだ…
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