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夜が明けるまで、カカシは女と、今で有った出来事や取り留めのないお喋りをした
「じゃあ、帰るね。 今日は本当にごめんね」
カカシの言葉に、女は静かに微笑み首を振った
門を出ようとしたカカシに女は
「吉さん、好きな方が出来たのではないんですか? 多分、吉さんがここに来る事は二度とないと思います。 その人を離さないでね…」
数々の色恋沙汰を見てきた女である
カカシより、こちらに関しては手練れなのだ
その女の言葉は重く、まるで予言の様にも聞こえた
「あんがとっ!」
カカシは女の頬に軽くキスをして、門を出ると、振り返らずヒラヒラと手を振った
明け方に布団に潜り込んだカカシは、ドアを叩く音で目が覚めた
「さっさと開けねぇーのならぶっ壊すぞー」
今にも壊しかねない勢いに、カカシは慌てて【解】の呪文を唱えた
敵の多いカカシである。他の忍より用心深くトラップを仕掛けてある
トラップが解除されると同時に、アスマがドカドカと上がり込んできた
「たくっ! どんだけ声掛けても起きやしねぇー、さっさと用意して行くぞっ!!」
「…………」
カカシは、じぃーとアスマを凝視していた
「? 何だ、まだ頭が起きてねぇなら、見舞おうか?」
そう言って、握りしめた拳にはぁ~と息を掛けた
「…首……」
カカシがポソッと呟く
「あ? 首? 首がどうした?」
アスマが面倒臭そうに言うと
カカシは人差し指で自分の首の一部を指差し
「アスマちゃ~ん、そんなキスマーク付けて出歩いたら駄目っしょ」
と、ニタニタ笑った
「うおっ!!!」
と、変な声を上げて、アスマは指を差された場所を手で隠し、鏡まで走った
(嘘だよ~ん! 引っかかってやんの)
直ぐさま、アスマがカカシの元にとって返し
ゴンっ!!!
鈍い音がした…
「いっっってぇぇぇ!!! この髭熊!!何しやがるっ!!!」
「こっちのセリフだっ!!!さっさと用意しろっ!!」
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