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三人の行動が見える所で、気配を殺し見守った
合格者を出すには鈴は取れなくても良い
ナルトに対して二人が自分を犠牲にしてでも手を差し伸べるかどうかだった
(あいつら…)
意外にも最初にナルトに弁当を差し伸べたのはサスケだった
続けてサクラも…
(可愛い生徒第一号か…)
目の前にカカシは師匠が居たときのスリーマンセル時代を思い出し感慨にふけた
「お前らぁぁー!!!」
ナルト達は失格の恐怖に固まった
「ごーかっく❤」
キョトンとした三人にカカシは
「忍としてルールを破る奴はクズだが、仲間を助けない奴はもっとクズだ…必ず助けろとは、言わない…生き残る事が助ける事もあるしな…でも、今の気持ちは忘れるなよ…」
三人の顔に今までで最高の笑顔が咲いていた
勿論カカシの顔にも…
三人と一緒に報告書を出しにアカデミーに向かった
しばらく行くとナルトはご主人様を見つけた犬の様にダッシュした
「せんせー!! イルカ先生!!」
(あーとうとうご対面かぁ~)
カカシも腹を括った
ナルトが合格した事を一通り喋ると男はカカシに向かって礼儀正しい挨拶をしてきた
「ナルトの新しい先生ですね。アカデミーでこの子達を担当していた、うみのイルカです」
「手が掛かる子供ですが、宜しくお願いします。はたけ上忍」
そう言って顔を上げたイルカにカカシは本当に固まってしまった
『うみのイルカ』
真っ黒長髪、高い位置で一つにしばり、鼻には真一文字の傷
そうカカシが恋い焦がれたあの少年が今ここに青年となって立っているのだ
「先生?」
子供達が訝しげに見た
このままじゃヤバイと口から出たのは
「カカシです…カカシでいいですよ…イルカ先生…」
それが精一杯だった
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