接近

7/8

117人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
フラつくイルカを支えながら歩くのは、カカシには拷問に近いモノがあった (頼むから理性よもってくれ…) なけなしの理性を維持しながらカカシは、イルカに触れている場所から意識を遠のかせようと必死だった (ここからだったら俺の家の方が近いけどヤバイよね…) イルカを抱きかかえて歩くのもツラいが、自分の家に連れ込んだら、シャレにならなくなりそうで葛藤した 「カカシしぇんしぇ?」 呂律の回らない言葉でイルカが話し掛けてきた 「はいっ!?」 かなり、素っ頓狂な声でカカシは返事をした 「アイツ達はがんびゃってまふか?」 (アイツ…ナルトね…) こんなになってもナルトの心配をしているイルカを見て、カカシの心が少しささくれ立った 「頑張ってますよ…」 それからイルカはナルトの話しを続けた (この人の頭の中はナルトの事でいっぱいなんだろーな…) 「イルカ先生、俺の家の方が近いから、少し酔いを醒まして帰ります?」 そこに何かを思ったカカシは言ってみた 「すみましぇん、いいんですか?」 カカシの思いに全く気づかないイルカは提案を受けた (限界かな…?) カカシは本当にイルカが好きだった 大切にしたかった 今の恋愛何かより比べものにならない位大事に育ていきたかった (俺の気持ち伝えたら、この人どうするかな?) カカシの自宅に着いたイルカは、少しずつ酔いが冷めてきた様子だった 「はい、お水です。イルカ先生」 カカシが差し出したグラスを随分恐縮しながらイルカは受け取った 「すみません、カカシ先生…とんだ迷惑をお掛けしてしまって…」 酔いが冷めたイルカはいつも通りの礼儀正しい青年に戻っていた 「いつも、こんな感じに酔っ払うの?」 「いえ、ここまで酔ったのは久しぶりです…アスマ先生達のペースで飲んでたら訳がわからなくなってしまって…」 鼻の傷をポリポリ掻きながら恥ずかしそうにイルカは言った (傷を掻くのは恥ずかしい時なんかに出る癖かな?) カカシはイルカの事を少しでも知るのはとても嬉しかった (大体アスマ達のペースに付いていこうってのが無謀だよねぇ~俺でも無理ですって…) 「今日はどーゆー飲みごとだったんですか?」 イルカがアスマ達と何故飲んでいたのか、どうしても気になった 「特に理由は無かったのですが、アスマ先生や紅先生に帰る時お会いして、子供達の様子を訪ねたら飲みに行こうって話になって…」
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加