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さっきからイルカの話を聞いてたカカシは、どうしても引っ掛かる事があった
(俺でも名前で呼んでもらうのにちょっとかかったのに、何でアスマと紅は既に名前なん?)
これ位聞いてもいいだろうとカカシは切り出した
「イルカ先生、アスマや紅と親しかったんですか?」
いきなり意図の分からない質問にイルカは暫しキョトンとした顔をしていた
「いえ、私が親しいと言うより、アスマ先生達に親しくしてもらってると言う方が正しいと言うか…」
流石にイルカも、自分みたいな中忍にこんなにも上忍の人達が親しくしてくれているのか少し疑問に思えてきた
「でも、カカシ先生も私何かに親切じゃないですか」
(当たり前でしょ。あんたの為ならこの命投げ出してもいいんだから…)
カカシの目線に耐えられなくなり、イルカは目を泳がせながら
「もう、大分遅くなりましたし、これ以上ご迷惑を掛けるのもなんですので、帰りますね」
「イルカ先生…」
靴を履きかけた、背後からカカシに呼び掛けられ、中腰のままイルカは振り向いた
「はい?」
一瞬の出来事だった
目の前にカカシの見事な銀髪があるかと思ったら、次の瞬間イルカはカカシから抱きしめられていた
「カカシ先生!?」
イルカの問い掛けに微動だにしないカカシ
(これ以上はダメだ!…でも限界かも…)
カカシが自分の思いをぶつけようとした矢先
「カカシ先生具合でも悪いんじゃないですか!?体が冷たいですよ!?布団は何処ですか!?」
バタバタと看病の体制に切り替わったイルカを見て
(天然だよな…洒落にならないよ…手ごわ過ぎるでしょ…)
変に警戒されるより良かったが、ここまで鈍いとどうしていいかも分からなくなる
洗面器とタオルで格闘しているイルカを横目にデッカい溜め息のカカシであった
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