寸止め

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「イルカ先生ー!」 「カカシ先生。今お帰りですか?」 先日イルカの介抱をキッカケに二人の間はグッと近づいていた とは言え、色恋沙汰に天然のイルカは、何気に醸し出すカカシの態度や言葉の意図には全く気づかず、カカシの事をとても良い先生だと思いこんでいた 「イルカ先生は今日の夕飯もう決まってます?」 自分の好意を少し誤解しているとはいえ、カカシは、それさえも利用して、ちょっとでもイルカと一緒に居たかった (取りあえずは側に居れば色々知るきっかけにもなるし、変な虫も払えるしね…) 皆から恐れられる、写輪眼のカカシとは思えない奥手な考え方だ それも其のはず、イルカの事を知れば知るほど、里内、特に忍仲間から人気があるのが分かってきた イルカの醸し出す不陰気はおおよそ、忍とは思えない穏やかなモノがある ナルト達を送りだし、今は補助として先生業をこなし、任務報告の受付もこなしている イルカが受付に入るようになり、激変したのは報告書の提出率と皆が丁寧に書く様になった事だった 任務指示書を渡す時、報告書を持って来た時のイルカの笑顔はその毛がないヤローどもまでドキッとする イルカの口から 「はい、お疲れ様でした」 の、一言が聞きたくて皆挙って報告書を持って来るのだ 中には勇気を出し、誘うモノも居たが、最近は余程のモノじゃない限り、誘いの言葉を掛けない 元々、火影の大のお気に入りなので、不埒な行為をするモノは居なかったが最近は只の食事にすら誘う事は困難だった 原因は、カカシ… 周りからすれば、判り易い程、イルカの所に来る 上忍、元暗部の写輪眼のカカシのご機嫌を損ねるなんて勇気のある忍はまず居ない 「今日はアスマ先生と紅先生が食事に誘って下さったので行く予定です」 (アスマと紅が?) 二人きりに成るはずの時間を邪魔されて心の中でムッとしたカカシだった 「俺もお邪魔してもいいですかね?」 (いや、お邪魔しますとも…) おこす行動は決めてはいたが一応お伺いを立ててみる 「アスマ達なら気心も知れてますし…」 にっこり笑うカカシに 「はいっ」 イルカも満面の笑みで返した
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