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(今の俺に触らないでくれ!)
イルカに捕まれた腕からあのゾワゾワとした感覚が上がってくる
カカシはイルカの周りに現れたが、イルカに触れるにを極端に避けた
理由は只一つ
触れたが最後、イルカの事を滅茶苦茶にしてしまうと確信していたからだ
唯一触れた前回の時はイルカの天然に毒気を抜かれ何事も無く済んだ
今回は既に自分の気持ちが高ぶった状態だ
やり過ごすには熱くなり過ぎていた
だから即座に帰ろうとした
イルカもイキナリ帰ろうとしたカカシに頭より先に体が動いていた
咄嗟にイルカはカカシの手を掴んでいた
「すみませんっ!!」
耳まで真っ赤にして慌ててイルカは手を引いた
「……っ…たのに……」
カカシのいつもとは違う声のトーンに違和感を感じながら
「え? 何と言いまし……っ!!」
聞き返したイルカの言葉は全て言い終わらないうちに声が出せなくなっていた
「…っ……ふっ…」
息が出来ず何が起きているか分かるまで暫くの時間が掛かった
見開いた目の前にはカカシの顔があった
ほんのり目元を朱に染め、伏せられた瞼にはびっしりと銀色の睫がそろい幾度と角度を変えながらイルカの唇を奪っていた
(どうしてオレ、カカシ先生とキスしてんだろ?)
ボーとする頭で考えた
あまりにの酸欠にイルカはカカシの背中を力無く叩いた
「…っ、ハッ…ハッ…」
漸くカカシのキスから解放されたイルカの唇は酸素を取り込もうと喘いでいた
事の次第に思考が追いついてないイルカをカカシは折れるんじゃないかと思う程掻き抱いた
「オレ言いましたよネ…どうなっても知らないと…」
耳のすぐ横で抱きしめられたまま言われたら言葉にイルカの頭はグルグル回っていた
「えっ!? イヤっ…あのっ…どうって……えぇっ!!」
流石に天然のイルカでもカカシの言わんとする事に理解した
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