117人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
カカシにとってあの蜜の様な一夜から幾日が過ぎた
あの晩の火影の要件はいつでもいい様な事で、カカシの頭の中では火影を後ろから締めてやりたい位だった
(じじぃ絶対仕返ししてやるっ!)
火影が大好きなイルカの前では殺気を出さない様気をつけ、隙を狙ってはいた
そのイルカだが少なくとも自分に好意を抱いてくれているのではないかと思い出した
翌日、平静を装ってはいたがカカシの内心は汗だらだらで、昨日の行為を非難され拒絶されたらどうしようとワタワタしていた
肝心のイルカはいつもの受付スマイル全開で、いつもの様に労を労ってくれ突然の火影の呼び出しに心配までしてくれた
(イルカ先生…自惚れてもいいのですか?アナタもオレが好きだと…)
色恋沙汰に長け、数え切れない位の浮き名を流したカカシなのにイルカに対しては、あの少年の頃のまま純な気持ちだ
そんなカカシの変わり様を、この世の終わりじゃないかと冷やかす上忍二人とイルカに邪な気持ちに気づいた老人にイルカとの逢瀬は悉く邪魔が入った
(何か最近イルカ先生に近づけない?)
流石にカカシも不振がった
冷やかしの二人はまだあしらえた
でも、ここぞとの時決まって最大の邪魔が入った
そう、火影だ
火影のイルカの溺愛は周知だ
職権乱用とまでは行かないが、かなり近いスレスレを行ってる
最近はイルカの受付の隣には火影が鎮座するのは当たり前になった
最強の保護者に守られ、飲みに誘うのすら難しい
その上、カカシにはAランク以上の任務が怒涛の様に続き精神、体力ともにヘタレて来た
「あんのぉ🌊くそじじぃ🌊[★]!!!」
控え室で拳を握りしめ周りに殺気を振りまきカカシは荒れていた
「うっせぇーだろーがぁ」
灰皿に被害が及ぶのを回避しながらアスマはニヤニヤした
「あ!? 喧嘩売るのアスマ?買うよ?」
ヤレヤレと肩を竦め両手を掲げ
「自分の上手く行かない恋愛を人に当たるんじゃねーよ!だいだいこうなるのも自業自得なんじゃねぇか?」
最初のコメントを投稿しよう!